【2025年】FXの基本!初心者向け
FXは「Foreign Exchange」の略で、日本語では「外国為替証拠金取引」と呼ばれます。異なる国の通貨を売買し、その価格変動から利益を出すことを目指す取引です。
FX取引の仕組み
FX取引の基本的な仕組みは、通貨ペアを使って行われます。通貨ペアとは、米ドル/円(USD/JPY)やユーロ/米ドル(EUR/USD)のように、2つの通貨を組み合わせたものです。左側の通貨を基軸通貨、右側の通貨を決済通貨と呼びます。
レバレッジとは?
FXの最大の特徴の一つにレバレッジがあります。レバレッジは、少ない自己資金でその何倍もの金額の取引を可能にする仕組みです。
日本では、個人の場合レバレッジは最大25倍までに制限されています。例えば、10万円の資金で最大250万円分の取引ができます。これにより、小さな価格変動でも大きな利益を狙えますが、同時に損失も大きくなるリスクがあります。
スプレッドとスワップポイント
- スプレッド: 通貨を売る価格(Bid)と買う価格(Ask)の差のことです。この差がFX業者の手数料となり、トレーダーの取引コストとなります。スプレッドは狭いほど取引コストが安くなります。
- スワップポイント: 2つの通貨の金利差から生じる利益またはコストです。金利が高い通貨を買い、低い通貨を売るポジションを持つと、スワップポイントを毎日受け取ることができます。逆に、金利の低い通貨を買い、高い通貨を売ると、支払いが発生します。
FXの取引時間:日本時間では何時から何時まで?
FXは、世界のどこかの市場が開いている限り、土日を除く平日ほぼ24時間取引が可能です。これは、世界中の主要な金融センター(東京、ロンドン、ニューヨークなど)が時差により順次開場・閉場するためです。
市場名 | 日本時間での取引時間(目安) |
---|---|
オセアニア市場 | 06:00 ~ 14:00 |
東京市場 | 09:00 ~ 18:00 |
ロンドン市場 | 17:00 ~ 02:00 |
ニューヨーク市場 | 22:00 ~ 07:00 |
スワップポイント:発生時間と曜日による違い
スワップポイントは、保有しているポジションを翌日に持ち越すことで発生します。付与されるタイミングは、NY市場のクローズ時間です。
日本時間での発生時刻 | 詳細 |
---|---|
夏時間(3月第2日曜日~11月第1日曜日) | 午前6時 |
冬時間(11月第1日曜日~3月第2日曜日) | 午前7時 |
スワップポイントは、受け渡し日の関係で曜日によって付与される日数が異なります。FXでは、取引した日の2営業日後に決済(受け渡し)が行われるのが原則です。
ポジションを持ち越す曜日 | 付与される日数 |
---|---|
月曜日 → 火曜日 | 1日分 |
火曜日 → 水曜日 | 1日分 |
水曜日 → 木曜日 | 3日分(土曜日・日曜日の2日分がまとめて付与されます) |
木曜日 → 金曜日 | 1日分 |
金曜日 → 月曜日 | 1日分 |
日米金利差と為替レートの関係
為替レートは、様々な要因で変動しますが、特に重要なのが日米の金利差です。金利が高い国の通貨は、低い国の通貨に比べて相対的に価値が上がります。
ちなみに、これまでで最も日米の金利差が拡大したのは1980年代前半の米国の高金利時代です。この時期、日米の金利差は10%以上にも達し、ドル円は250円前後まで円安が進みました。これは金利差が為替レートに与える影響を象徴する例です。
期間 | 金利差(ドル - 円) | ドル円レート(高値) |
---|---|---|
今年最大(2025年) | +3.2%程度 | 158円台 |
昨年最大(2024年) | +3.6%程度 | 160円台 |
9月3日から5日にかけての日米金利差とドル円レートは以下の通りです。
日付 | 米国10年債利回り | 日本10年債利回り | 金利差(米-日) | ドル円レート(終値付近) |
---|---|---|---|---|
9月3日 | 約4.20% | 約1.61% | 約2.59% | 148.55円台 |
9月4日 | 約4.15% | 約1.61% | 約2.54% | 148.07円台 |
9月5日 | 約4.07% | 約1.57% | 約2.50% | 147.07円台 |
日米金利差とドル円レートの参考値
為替レートは、日米の金利差が拡大するほど、ドル円が円安に進む傾向にあります。過去のデータから算出したドル円レートの参考値を以下に示します。
金利差(ドル - 円) | ドル円レート(参考値) |
---|---|
0.0%〜0.5% | 100円〜110円台 |
0.5%〜1.0% | 110円〜120円台 |
1.0%〜1.5% | 120円〜130円台 |
1.5%〜2.0% | 130円〜140円台 |
2.0%〜2.5% | 140円〜150円台 |
2.5%〜3.0% | 150円〜160円台 |
3.0%〜4.0% | 160円台〜170円台 |
FX取引のメリット・デメリット
メリット
- 少額から始められる: レバレッジを活用することで、比較的小さな資金から取引を始められます。
- 24時間取引可能: 平日はほぼ24時間取引できるため、自分のライフスタイルに合わせて取引できます。
- 売りからでも始められる: 為替レートが下落すると予想する場合、まず売ってから買い戻す「空売り」も可能です。
- 手数料が安い: 多くの場合、取引手数料が無料で、スプレッドが実質的な手数料となります。
デメリット
- レバレッジによるハイリスク: レバレッジは大きな利益をもたらす可能性がある一方で、少しの価格変動で大きな損失を被るリスクもあります。
- 強制ロスカット: 損失が一定の水準を超えると、それ以上の損失を防ぐために強制的にポジションが決済される「強制ロスカット」があります。
土日も取引できる?
原則としてできません。 世界の主要な市場が土日(日本時間)は一斉に休場するためです。ただし、中東の一部の市場は、休日の関係で金曜日に休み、土日でも取引が行われています。しかし、取引量が極めて少ないため、日本のFX会社では取引ツールを提供しておらず、日本のトレーダーにとっては実質的に土日は取引ができない時間帯となります。
週末をまたぐリスク:窓開け
週末の間に大きなニュースがあると、中東などの一部市場ではレートが変動しています。その結果、週明けの月曜日に市場が再開した際、金曜日の終値からレートが大きく離れて始まることがあり、これを「窓開け」と呼びます。週末にポジションを持ち越す際は、この窓開けによる急な変動リスクを考慮しておく必要があります。
始める前に知っておくべきこと
FXを始める際は、まずデモ取引で練習することをおすすめします。多くのFX会社が提供しているデモ口座を使えば、実際の資金を使わずに取引の仕組みやツールの使い方を学ぶことができます。また、取引を始める前に、ご自身の投資目標やリスク許容度を明確にしておくことが大切です。
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