【2025年9月9日】ドル円は材料難か、市場振り返り
週明け9月8日(月)のドル円相場は、147円台での方向感に欠ける展開となりました。朝方発表された日本のGDP改定値が市場予想を上回る良い内容だったものの、円を買い上げる動きは限定的でした。先週末の弱い米国雇用統計の結果を受けたFRBの利下げ観測が根強く、米長期金利が低下したことがドル円の上値を重くしました。この記事では、昨日の市場の動きをニュースと共に振り返り、本日の経済指標の予定を解説します。
昨日のドル円に影響したニュース (2025年9月8日)
【速報】石破氏、自民党幹事長辞任で政局に激震
昨日午後、自民党の石破茂幹事長が辞任を表明し、次期総裁選への不出馬を明らかにしました。有力な「ポスト岸田」候補の一人と目されていた石破氏の突然の不出馬表明は、今後の政権運営の不透明感を一気に高めました。
外国為替市場では、こうした政治的な不確実性はリスク要因と見なされ、その国の通貨が売られる(今回の場合は円売り)傾向があります。このニュースが伝わると、ドル円は一時的に上昇(円安)しました。しかし、米国の利下げ観測という強いドル売り圧力も存在するため、円安の動きは限定的でした。
日本のGDPは予想上振れも、円買いの勢いは続かず
昨日朝に発表された日本の4-6月期GDP改定値は、年率+2.2%と速報値や市場予想を上回る結果となりました。通常であれば日本経済の底堅さを示す円買い材料ですが、ドル円への影響は一時的なものにとどまりました。これは、市場の関心が日本の景気よりも米国の金融政策に強く向いていることの表れと言えます。
米利下げ観測が根強く、ドルが軟調に推移
昨日は米国で主要な経済指標の発表がなく、市場は先週金曜日の雇用統計の結果を引き続き消化する展開でした。労働市場の減速が確認されたことで、市場ではFRB(米国連邦準備制度理事会)が近く利下げに踏み切るとの観測が強まっています。これを受けて米国の長期金利が低下し、ドルが売られやすい地合いが続きました。
昨日のドル円関連経済指標【結果】(2025年9月8日)
発表時間 (日本時間) | 国 | 指標名 | 市場予想 | 結果 | 概要 |
---|---|---|---|---|---|
8:50 | 🇯🇵 | GDP改定値 (4-6月期) | (年率)+1.8% | (年率)+2.2% | 速報値から上方修正され、予想を上回る。しかし円買いの反応は限定的。 |
昨日は米国で主要な経済指標の発表はありませんでした。 |
日米金利差の動向
米国の利下げ観測を背景に米長期金利が低下した一方、日本の金利はほぼ横ばいでした。この結果、日米の金利差はさらに縮小し、ドル円の上値を抑える要因となっています。
日付 | 🇯🇵 日本 10年債利回り | 🇺🇸 米国 10年債利回り | 日米金利差 |
---|---|---|---|
先週金曜 (9月5日) | 約 1.56% | 約 4.10% | 約 2.54% |
昨日 (9月8日) | 約 1.57% | 約 4.05% | 約 2.48% |
本日のドル円関連経済指標(2025年9月9日)
本日は日米ともに、相場の方向性を大きく変えるような経済指標の発表は予定されていません。そのため、新たな材料に乏しく、引き続き米国の金利動向をにらみながらの神経質な展開が予想されます。
発表時間 (日本時間) | 国 | 指標名 | 概要 |
---|---|---|---|
本日、日米ともに市場を大きく動かす主要な経済指標の発表予定はありません。 |
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