【2025年9月12日】昨日の日米全経済指標まとめと、148円台が「一瞬」だった理由の考察

【2025年9月12日】昨日の日米全経済指標まとめと、148円台が「一瞬」だった理由の考察

昨日9月11日(木)、米国の8月消費者物価指数(CPI)が予想を上回り、ドル円は一時148円台前半まで急騰しました。しかし、上昇は長続きしませんでした。この記事では、昨日発表された日米の全ての経済指標を振り返るとともに、「なぜドル高が一瞬で終わったのか」を考察し、本日の全指標予定を解説します。

昨日のドル円に影響したニュースと「一瞬の円安」の考察

米CPIがインフレの根強さを示し、ドル急騰

昨夜発表された米CPIは、総合指数が前月比+0.4%と市場予想(+0.3%)を上回りました。この結果は、米国のインフレが依然として根強いことを示しており、市場の利下げ期待を後退させました。これを受けて米長期金利が上昇し、ドル円は指標発表直後に急騰しました。

なぜ148円台は「一瞬」で終わったのか?

CPIと同時に発表された「新規失業保険申請件数」は、市場予想よりも良い結果で、これもドル買い材料でした。しかし、上昇は続きませんでした。その背景には、以下の要因が考えられます。

  • 利益確定の売り: 指標発表という大きなイベントを通過したことで、短期的にドルを買い持ちしていた投資家たちが一斉に利益を確定させる売りに動いたと考えられます。特に148円というキリの良い数字は、心理的な節目として意識されやすい水準です。
  • 「Sell the Fact(事実で売る)」: 前日のPPI(生産者物価指数)も強い結果だったため、市場では「CPIも強いだろう」という予測がある程度織り込まれていました。そのため、実際に予想通りの強い結果が出たことで、材料出尽くしと判断した投資家が売りを出した可能性があります。
  • 週末前のポジション調整: 本日は金曜日であり、週末を前にポジションを解消する動きが出やすいことも、上値を重くした一因です。

昨日の日米経済指標【全結果】(2025年9月11日)

発表時間 (日本時間) 指標名 市場予想 結果 概要
8:50 🇯🇵 機械受注 (7月) (前月比)-1.1% (前月比)-2.5% 設備投資の先行指標。予想を下回り、日本経済の先行きに懸念を示す内容。
21:30 🇺🇸 消費者物価指数 (CPI) (8月) (前月比)+0.3% (前月比)+0.4% 予想を上回り、インフレの根強さを示唆。ドル買いが殺到する主因となった。
21:30 🇺🇸 新規失業保険申請件数 22.5万件 22.1万件 予想より強く、労働市場の底堅さを示唆。当初のドル買いを後押しした。

日米金利差の動向

インフレの長期化懸念から、米国の長期金利(10年債利回り)は4.2%台へと再び上昇しました。日米の金利差は大きく拡大し、ドル円を押し上げる最大の要因となっています。

日付 🇯🇵 日本 10年債利回り 🇺🇸 米国 10年債利回り 日米金利差
一昨日 (9月10日) 約 1.57% 約 4.12% 約 2.55%
昨日 (9月11日) 約 1.58% 約 4.21% 約 2.63%

本日の日米経済指標【全予定】(2025年9月12日)

今週の重要イベントを通過し、本日は週末金曜日ということで、利益確定の動きやポジション調整が出やすい一日です。ただし、米国の個人消費の動向を示す小売売上高や、消費者のマインドを示すミシガン大学消費者信頼感指数が発表されるため、結果次第では相場が動く可能性があります。

発表時間 (日本時間) 指標名 市場予想 ドル円への影響
13:30 🇯🇵 鉱工業生産【確報値】(7月) (前月比)-1.8% 確報値のため、速報値から大きく修正されなければ市場の反応は限定的。
21:30 🇺🇸 小売売上高 (8月) (前月比)+0.3% 個人消費の強さを示す指標。予想を上回ればドル買い要因、下回ればドル売り要因に。
23:00 🇺🇸 ミシガン大学消費者信頼感指数 (9月速報値) 69.8 消費者のマインドを示す指標。予想から大きくかい離すると相場が反応する可能性。

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