【2025年8月23日】ダイドーリミテッドの「1株100円配当」は本物か?財務状況を徹底解説!
「ニューヨーカー」などのブランドで知られるアパレル企業のダイドーリミテッド(証券コード:3205)が、1株あたり100円という非常に高い配当を発表し、投資家の注目を集めています。
しかし、その一方で同社の業績は赤字が続いており、「本当にこの高配当を維持できるのか?」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ダイドーリミテッドの配当能力と最新の財務状況を分かりやすく整理し、今後の見通しについて解説します。
株主還元の強化!「3年間・100円配当」の方針
まず結論から言うと、ダイドーリミテッドは配当金を出せます。
同社は2024年7月に、株主還元方針を大きく転換。2025年3月期から2027年3月期までの3年間は、1株あたり年間100円の配当を基本方針とすることを発表しました。
ただし、注意点があります。2025年3月期の配当原資は、事業の利益から出る「利益剰余金」ではなく、会社の資産である「資本剰余金」から支払われました。これは、業績が赤字であるため、いわば会社の貯金を切り崩して配当を出している状態です。
この高配当を継続するためには、本業である衣料事業の収益力改善が絶対条件となります。
過去数年間の業績推移
直近5年間の主要な財務データを見てみましょう。
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | 1株配当 |
---|---|---|---|---|
2025年3月期 | 286億円 | ▲6,400万円 | ▲24.8億円 | 100.00円 |
2024年3月期 | 286億円 | ▲4.4億円 | 2.9億円 | 2.00円 |
2023年3月期 | 282億円 | ▲4.8億円 | 67.5億円 | 2.00円 |
2022年3月期 | 246億円 | ▲16.1億円 | ▲35.4億円 | 0.00円 |
2021年3月期 | 172億円 | ▲25.2億円 | ▲45.1億円 | 0.00円 |
※2023年3月期の純利益は固定資産売却益によるものです。
表の通り、本業の儲けを示す営業利益は長らく赤字が続いており、事業環境の厳しさがうかがえます。
2025年8月の最新決算発表の内容
2025年8月7日に発表された最新の四半期決算(2026年3月期 第1四半期)では、以下の点が明らかになりました。
- 営業赤字は縮小: 事業改革が功を奏し、営業損失は前年同期より改善しました。
- 最終赤字は拡大: 一方で、純損失の赤字幅は前年同期より拡大しました。
- 通期予想を下方修正: これを受け、2026年3月期通期の最終損益を黒字予想から一転して赤字に下方修正しました。
重要なのは、業績予想を下方修正したにもかかわらず、年間配当予想は1株100円のまま維持された点です。会社側の株主還元に対する強い意志が感じられます。
まとめ
ダイドーリミテッドの配当は非常に魅力的ですが、その原資は現時点では本業の利益ではなく、会社の資産であるという点を理解しておく必要があります。
投資を検討する際は、
- 中期経営計画通りに業績が回復していくか
- 主力の衣料事業が黒字化できるか
といった点を、今後の決算で注意深く見守っていくことが重要です。
コメント
コメントを投稿