グリー(3632) 決算徹底分析
2025年8月9日公開
2025年6月期決算:メタバースは好調もゲーム事業の不振響き大幅減益
グリーホールディングスが2025年8月6日に発表した2025年6月期の通期決算は、売上高・利益ともに前期を下回る厳しい結果となりました。成長著しいメタバース事業が業績を牽引する一方、主力のゲーム事業の不振が大きく響いた形です。本記事では、決算内容と株価指標を詳しく分析し、今後のポジティブ要素とネガティブ要素を解説します。
2025年6月期 決算サマリー
主要項目 | 2025年6月期実績 | 前期比 |
---|---|---|
売上高 | 571億1100万円 | ▼ 6.8% |
営業利益 | 48億6000万円 | ▼ 18.7% |
経常利益 | 37億6000万円 | ▼ 47.2% |
純利益 | 11億9400万円 | ▼ 74.2% |
現在の株価指標 (2025/8/8時点)
時価総額
約832億円
PER (株価収益率)
約66.3倍
PBR (株価純資産倍率)
約0.85倍
今後のポジティブ要素(期待される成長要因)
-
✔
メタバース事業の急成長
プラットフォーム「REALITY」のグローバル展開が好調。VTuber事業の黒字化も視野に入り、会社全体の成長エンジンとして期待されます。
-
✔
新作ゲームへの期待
2026年6月期にリリース予定のコンシューマ向け自社IPタイトルが、ゲーム事業再成長の起爆剤となるか注目されます。
-
✔
IP事業の強化
自社IPの創出と多角展開により、新たな収益源を確立できる可能性があります。
今後のネガティブ要素(課題とリスク)
-
✘
ゲーム事業の深刻な不振
最大の収益源であるゲーム事業の縮小が続いており、新たなヒット作の不在が業績全体の足を引っ張っています。
-
✘
収益性の悪化と先行投資
為替差損や、メタバース事業への先行投資が重荷となり、利益率が大幅に低下しています。
-
✘
将来の業績見通しの不透明感
2026年6月期の業績予想が非開示とされたことで、先行き不透明感が強まっています。
まとめ
グリーは現在、**「不振のゲーム事業」**と**「成長のメタバース事業」**という二つの顔を持つ、まさに事業の転換期にあります。株価はPBR 1倍割れと割安感がある一方、業績の先行きには不透明感が漂います。今後の株価の動向は、メタバース事業の収益化が計画通りに進むか、そしてゲーム事業で再びヒット作を生み出せるかにかかっていると言えるでしょう。投資を検討する際は、これらのポジティブ・ネガティブ両側面を十分に理解することが重要です。
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